カリキュラム・ポリシー

カリキュラム・ポリシー

教育課程編成・実施の方針

カリキュラム・ポリシー

武蔵野音楽大学の教育方針である「音楽芸術の研鑽」と「人間形成」を具現するため、音楽学部全2学科に、必修科目、選択科目、自由科目を開講し、各コースの教育目的に適うよう、以下のようにカリキュラムを編成します。
1 授業科目は原則として4学年を8つに区分したセメスターごとに開講し、各専攻分野に求められる知識、能力等を段階的、体系的に修得できるよう編成します。この際、教養科目は必修科目および自由科目の一部として、全学年を通して履修を可能とします。
2 専攻実技科目については、個人レッスンにより技量の向上を図るとともに、さまざまな研究発表・演奏等の機会を設け、実践的な体験を積ませます。また、成績評価は実技試験等の結果を踏まえ、別に定めた評価基準により行います。
3 クラス授業科目については、開設科目の特性および到達目標を踏まえたクラス編成による授業を通して、グループワーク、プレゼンテーション、ディスカッション等を重視した教育方法を積極的に導入します。また、成績評価は定期試験等の結果を総合的に勘案し、別に定めた評価基準により行います。
4 教育的見地から、年次ごとの履修単位の上限を定め、かつ3年次への進級に際しては修得すべき単位を定めた進級基準を設けます。

 

カリキュラム・ポリシーに沿った教育課程の体系的編成

【音楽学部】
ディプロマ・ポリシーに掲げた知識・能力は、カリキュラム・ポリシーに基づき開講されている科目の学修を通して身につきます。カリキュラムは各コースの特性に応じた必修科目と選択科目、全学科共通の自由科目で構成されています。それらを各コースの教育研究目的に適うよう、専門科目、外国語科目、教養科目(保健体育の科目を含む)、基礎科目に区分し、セメスターごとに割当てています。専門科目については、1・2年次の必修科目と選択科目に、各コースの基礎・基本となる科目を置いています。さらにその学修成果を補完・発展させるため、学年の進行に応じて、必修科目のほか、選択科目・自由科目に多彩な科目を置いています。外国語科目については、グローバル社会への対応が求められることから、全学科の1年次及び2年次において国際共通語である英語を必修としています。また、英語に加え、西洋音楽を学ぶ上での必要性から、学生にドイツ語、イタリア語、フランス語の中から1科目を選択させ、2年次までの必修としています。3年次以降は、2年次までに身に付けた基礎的な語学能力を、さらに伸長させるために同じ言語の科目を選択するか、また新たに基礎から未履修の他の言語を選択することを可能となるようカリキュラムを編成しています。

 

【演奏学科】

演奏学科における専門科目は、高度な演奏技術を基盤とする豊かな表現力を身に付けることを目的として、「専攻実技」を4年間の必修科目とし、また、演奏家として必要な基礎能力を培うため、「ソルフェージュ」、「和声」、「西洋音楽史」を1・2年次での必修科目としています。1、2年次では専門科目を中心に基礎を学修しますが、その後はさまざまな進路希望に対応できるよう、学年の進行に応じて「自由科目」に設定された多彩な科目から自ら選択して履修することが可能となっています。さらに各コースの特性に合わせた専門的な科目群に加えて、比較的小規模な「室内楽・重唱」などから、「管弦楽」(オーケストラ)、「管・打楽器合奏」(ウィンドアンサンブル)、「混声合唱」などの大規模な編成に至るまで、アンサンブルの科目を設定しています。

《器楽コース》
<有鍵楽器専修ピアノ専攻>
学修の基本となる「専攻実技」レッスンでのレパートリー修得に加え、1、2年次では「初見演奏法」、「伴奏法基礎」などを、3、4年次では「鍵盤音楽史」や「ピアノアンサンブル研究」、「即興演奏入門」を学び、進路に応じて「ピアノ指導法研究」、「スコアリーディング」等、実践的な科目を選択し学修できます。また、「声楽伴奏法」や「室内楽・重奏」など、アンサンブルの科目も選ぶことができ、その成果をステージで発表する機会も設けられ、それまで培ってきたピアノ技術をより高度な演奏へと結実させるカリキュラムとなっています。

<有鍵楽器専修オルガン専攻>
学修の基本となる「専攻実技」レッスンは、本学が所有する6台のパイプオルガンを使用し、幅広い時代のレパートリーを学ぶことができます。また、バロック音楽の基礎となる「通奏低音」、それを発展させた「即興演奏法」など、オルガン専攻独自の科目が組まれており、総合的なオルガン演奏の知識と技術を体得できるカリキュラムとなっています。

<管楽器専修>
学修の基本となる「専攻実技」レッスンに加え、「管弦楽」や「管・打楽器合奏」、「管楽合奏」などのアンサンブルの科目を必修科目とし、習熟の発表機会としての演奏会では学内外のホールを使用し、大小さまざまな形式で行います。将来オーケストラのプレーヤーを目指す学生のために、プロのオーケストラ奏者としての経験を持つ教員による「オーケストラスタディ」や「室内楽・重奏」などの専門性の高い科目を設定しています。学修成果をステージで発表する機会も数多く設けられているカリキュラムとなっています。

<打楽器専修>
学修の基本となる「専攻実技」レッスンでは、古典から現代までの打楽器作品の研究や、西洋音楽を中心とした幅広い演奏法を修得します。これに加え、「管弦楽」や「管・打楽器合奏」、「打楽器合奏」などのアンサンブルの科目を必修科目とし、アンサンブル演奏の機会も多く、他楽器とのオーケストラ演奏や吹奏楽演奏、打楽器同士による複合的な表現力も身につきます。また、「オーケストラスタディ」、「レパートリー研究」などの専門性の高い科目を設定し、さまざまなジャンルの作品をレパートリーにすることができるカリキュラムとなっています。

<弦楽器専修>
学修の基本となる「専攻実技」レッスンに加え、「管弦楽」や「弦楽合奏」、「室内楽」など、弦楽器奏者にとっての経験として欠かすことのできない、さまざまなアンサンブルの科目を必修科目に置き、将来オーケストラのプレーヤーを目指す学生のために、プロのオーケストラ奏者としての経験を持つ教員による「オーケストラスタディ」や「室内楽・重奏」などの専門性の高い科目を設定しています。学修成果をステージで発表する機会も数多く設けられているカリキュラムとなっています。

《声楽コース》
学修の基本となる「専攻実技」レッスンに加え、「混声合唱」を必修科目とし、「声楽アンサンブル」や「室内合唱」、「オペラ重唱」などの専門性の高いアンサンブル科目が組まれています。また、歌詞の理解と正確な発音に必要とされる専門的な語学力を修得させるために、ドイツ語、イタリア語、フランス語の「ディクション」を選択科目として設定しています。学修成果を発表する演奏会が数多く行われる実践的なカリキュラムとなっています。

《ヴィルトゥオーゾコース》
学修の基本となる長時間の「専攻実技」レッスンを通して演奏会形式の公開試験など、学内外での実践的な舞台経験を数多く積むことで、多くのレパートリーと高度な演奏能力を体得します。さらに、専攻実技に応じた合奏・室内楽・合唱・重唱、楽曲の解釈にとって欠かすことのできない「レパートリー研究」、将来の演奏活動に直接関係する「演奏ゼミナール」など、実学が詰まった科目を必修科目に置くカリキュラムとなっています。

 

【音楽総合学科】

音楽総合学科における専門科目は、伝統的な作曲法、新たなコンピュータ音楽、西洋音楽、日本音楽、民族音楽、音楽教育、心理学、舞台芸術の企画・制作、舞台技術等の分野から各コースの特性に応じた科目を開設し、体系的に編成しています。また、音楽総合学科では音楽総合学科内の4つのコースに開設している選択科目を横断して履修することが可能となっています。

《オープンメジャーシステム》
オープンメジャーシステムの履修者は、1年次において音楽総合学科内の4つのコースの基礎的内容を幅広く学び、その間に自分の適性や興味を確認し、2年次からコースを選択して専門的な学修に取り組みます。このシステムの特徴を生かすために、1年次の必修科目に11の基礎科目(「音楽の世界史」や「現代と音楽ビジネス」など)を置き、幅広く学修をした上で、2年次からのコースを選択・決定できるようカリキュラムを設定しています。さらに、1年次にフィックスメジャーシステムで入学した者と同等の学修効果を得るため、2年次で選択したコースにおいて履修すべき追加の必修科目を設定しています。

《作曲コース》
作曲の基本となる「作曲法」レッスンに加え、「創作応用研究」や「オーケストレーション」、「DAW」、「作品演奏」を必修科目に置き、伝統的なクラシックの作曲法を学修するとともに、多様化する現代のニーズに合わせたポピュラーやジャズの作曲法、コンピュータを用いたDAWの音楽制作などを学修します。また、「音楽基礎理論」や「記譜法」、「映像音楽概論」、「楽曲アナリーゼ」などを選択科目に設定し、アコースティックとエレクトリックの双方向から音楽表現の可能性を拡げ、作曲した作品は、学内外において多くの発表の機会が設けられているカリキュラムとなっています。

《音楽学コース》
1年次の「音楽学概論」で音楽学の基礎を学び、2~4年次の「音楽学研究」でさまざまな研究分野の考え方や研究の現状を資料調査・文献調査の調査学習等を通して視野を広げ、4年次では自らが設定したテーマで「卒業論文」を執筆します。「楽書講読」や「特別演習」、「日本音楽史」、「音楽ジャーナリズム論」などを必修科目に置き、歴史や思想、文化、社会との関わりなどを多面的に学修します。また、論文の作成を通して「調べる力」、「考える力」、「発信する力」が培われるカリキュラムとなっています。

《音楽教育コース》
音楽教育に関する「音楽教育学概論」や「音楽教育史」、「音楽教育学研究」、「音楽指導者論」、および教育活動の基盤となる演奏技術を高めるための「基礎実技」レッスンなどを必修科目に置き、さらに「音楽心理学研究」や「アンサンブル指導法」、「音楽実技」レッスンを選択科目に設定し、音楽教育に関する基礎理論の学修と演習を通して実践的な能力を身につけ、集大成として卒業論文を執筆するカリキュラムとなっています。

《アートマネジメントコース》
主としてコンサートを始めとする各種公演の企画・制作・宣伝や、劇場・ホールなどの施設管理・運営について学修する「アートマネジメント研究」、「舞台技術概論」、「劇場音響概論」、「広報宣伝資料製作」、「芸術文化政策論」、実習経験を積むための「アートマネジメント実習」、「企画制作演習」また、音楽学・音楽理論・音楽実技などの専門科目やコンピュータ音楽、録音技術などの基礎となる科目を必修科目と選択科目に設定しています。理論と実践がバランスよく組み合わされ、教室と現場での学修が相互に補完し合うことで相乗効果が発揮されるカリキュラムとなっています。