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武蔵野音楽学園

アップライトピアノ(自動演奏装置付き)

ハグ作 スイス 年代不詳 高さ164cm

 

写真のピアノは、前面の紙ロールの回転により鍵盤が自動的に演奏し、同時に内蔵された木琴がメロディーを奏でる。また金属片が弦を叩き、きらびやかな音を発する。このような自動演奏装置の付いたピアノは「自動ピアノ」と呼ばれ、19世紀後半に考案され、往年の名ピアニストの演奏を再現できる装置として流行した。

自動ピアノの歴史は、ピンが植えられたバレルを手で回して演奏する「バレル・ピアノ」に始まる。その後紙に穴をあけ、その穴から吸引された空気が弁を動かし、その動きでハンマーが打弦する「ニューマチック・システム」が考案されると、紙ロール式の自動ピアノが登場した。

エジソンの発明した蓄音機がまだ開発段階であった時代、自動ピアノは希少な音楽再現装置として急速に普及し、各社はその開発にしのぎを削った。当初はテンポや強弱を手動で操作していたが、曲想やペダリングなども紙ロールに記録し、演奏を細部まで忠実に再現できるものが登場し、「リプロデューシング・ピアノ」と呼ばれた。また、紙ロールに歌詞が付けられた「ソングロール」も販売され、自動伴奏で歌を歌うことができることから、人々の人気を博した。

1920年代が自動ピアノの最盛期であったが、その後蓄音機の普及と1929年に端を発した大恐慌の影響で急速に生産が減少した。しかし、近年は楽器の実演というアコースティック感が再評価されるとともに、ネット配信の利用など新たな可能性に期待が寄せられている。(武蔵野音楽大学楽器ミュージアム所蔵)