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武蔵野音楽学園

リュート

G. ライター作 ドイツ 全長71cm

フェルメールの「リュートを調弦する女」、カラヴァッジオの「リュートを弾く若者」など、西洋美術ではリュートを題材にした絵画は少なくない。リュートは15~17世紀を中心にヨーロッパで広く普及した楽器で、貴族から庶民まで階層を超えて流行した。

リュートは、アラブのウードという楽器がヨーロッパに伝えられ誕生した。711年、ウマイヤ王朝がイベリア半島に侵攻し、その後15世紀末までスペインはイスラム帝国に統治されるが、この東進したイスラム教徒(ムーア人)によりウードが西欧に伝播した。リュートは13世紀以降にヨーロッパ諸国へ広がり、16世紀ころには基本的な形態と指先で弾奏する奏法が確立された。バロック時代には独奏楽器としても人気を博し、J.S.バッハもソロのための楽曲を残している。しかし10コースを超える弦がもたらす演奏の困難さやあまりにも繊細な音質などから、チェンバロの隆盛やギターの普及などに押され、その後急速に人気が衰えてしまった。

「80歳のリュート奏者は60年間を調弦に費やしたことになる」…1713年、ドイツの音楽理論家マッテゾンは<オルケストラ新設>でこのように記したが、現代の演奏会でも、演奏される作品よりも曲間の調弦の方が長いという場面にしばしば出会う。リュートは、その祖先の地が大木の育たない風土であったことを引き継ぎ、胴体が薄い木材の寄せ木細工で仕上げられ、表板の厚さも2mmを超えることがない。その華奢さゆえに弦は常に調弦を必要とする。しかし、その緻密な作りが織りなす響きは優美で格調高く、現在でもリュートを好む音楽愛好家は絶えることがない。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)