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武蔵野音楽学園

フラジオレット

J.シンプソン作 1830年頃 ロンドン 全長39cm

フラジオレットは、細長い吹き口の付いたリコーダーの一種で、17~18世紀のヨーロッパで盛んに使用された。上部が丸く膨らみ、中に海綿の球を入れて湿気を取るタイプが一般的で、写真の楽器のように平行3度で鳴らされる二本の管を持つものも作られた。フラジオレットは、手軽な家庭音楽のための楽器であったほか、小鳥に歌を教えるために使われたというユニークな用途を持っている。

18世紀のヨーロッパでは、「ウソ」や「カナリア」などの小鳥にさまざまなメロディを歌わせることが流行した。もともと小鳥は音楽に反応し、音楽に合わせてさえずったり時に歌を覚えて模倣したりする。ハイドンの飼っていたオウムは、ハイドンが良くピアノで弾いていた<皇帝>(現ドイツ国歌)の冒頭を歌うことができたという。さらに、この流行は愛好家の趣味にとどまらず、ドイツでは集団で歌を教え、その小鳥を国外に輸出するビジネスにまで発展した。当時、ベルギーの要人が外国訪問に小鳥を伴わせ、国歌を歌わせたという記録が残されている。フラジオレットはそのような訓練に適した楽器とされ、1717年に出版された『小鳥愛好家の楽しみ』という小鳥のための教則本では、単管のフラジオレットやリコーダーが指定されている。

鳥たちが音楽を好きなことは昔も今も変わらない。豊かな自然に囲まれた武蔵野音楽大学入間キャンパスでは、四季を通して咲き乱れる花に誘われて、さまざまな小鳥たちが集まる。そして、学生の弾くピアノの音や声楽の発声に合わせるかのように小鳥たちは盛んにさえずり続ける。この小さな音大生は、「音楽」が人間のみならず多くの生き物にも影響を与える偉大な芸術であることを、私たちに教えてくれる。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)