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武蔵野音楽学園

テーブル・ピアノ

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J.H.パープ作 1845年頃 パリ
73鍵 幅112cm

本文 19世紀、ピアノ音楽の普及とともに、より豊かな音と広い音域を求めて、次々と楽器の改良が進められていく中で、それとは別に、目的に応じた多様な形態のピアノが作られるようになった。テーブルや裁縫台が組込まれたピアノや、ベルトで首から吊るして奏する携帯ピアノのオルフィカ、グランドピアノを立て上げたキリンピアノ等、その様々な意匠からは、この時代のピアノ職人たちの楽器開発にかけた熱い思いが伝わってくる。

製作者のパープは、エラール、プレイエルに継ぐ、フランスを代表するピアノメーカーとして知られ、その豊かな才能から、137もの特許をとる発明を生み出し、フェルト巻ハンマーや弦の張力を分散させる交差弦方式は、今日に残る代表的考案である。

写真のピアノは、やはりパープの特許になる独特な形状の楽器で、鍵盤を奥へスライドさせ、譜面台を兼ねた蓋を閉めると、6角形のテーブルに変身する家具調ピアノで、鍵盤の対面にある蓋には、アンサンブルに便利なように小さな譜面台が取り付けられている。脚部や側面に施された当時流行の中国趣味の装飾や、美しいマホガニーのケースは、上流階級の調度品にふさわしい仕上りで、ワーテルローの戦いでその名を馳せたウェリントン公爵も同じピアノを所有していたといわれている。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)