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武蔵野音楽学園

ツィンバロン

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1963年 ハンガリーC-a3 幅149cm

ツィンバロンはハンガリーの民族楽器で、台形の響板に張られた弦を、二本のバチでたたいて演奏する。コダーイの作品では、目にも留まらぬ名人芸的なバチ捌きが披露される。この楽器は1700年頃に大型のものが作られ、「パンタレオン」と呼ばれた。パンタレオンは当時のヨーロッパで流行したが、その奏法や特徴が黎明期のピアノ製作に多大な影響を与えたといわれる。

 ピアノのハンマーは、軸を支点に回転し打弦するが、これは既存の鍵盤楽器には見られなかった方式で、パンタレオンの奏法を参考にした可能性が高い。また、今日のピアノ・メーカーに直接つながる先駆者、ジルバーマンは、ダンパーを常時開放する装置を備えたピアノを製作したが、これはダンパーを持たないパンタレオンの響きを求めたものであった。やがてこの装置はピアノのペダルシステムへと発展する。

 ピアノがすでに完成された楽器として、その地位を確固たるものにしていた1870年代、ブダペストのジェンダは、ピアノを参考にツィンバロンの改良を行った。彼は、ツィンバロンの調弦に白鍵と黒鍵の配列を取り入れ、ペダル式のダンパーを装備させた。その結果、それまでジプシーの素朴な民族楽器であったこの楽器が、オーケストラとの競演も可能な、現在の演奏会用ツィンバロンに生まれ変わったのである。ピアノとツィンバロンは、おのおのの発達の過程で、互いに影響しあった楽器といえよう。 (武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)