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武蔵野音楽学園

シャノー型ヴァイオリン

薗田 治子

F. シャノー作 パリ 全長60cm

ヨーロッパにおける楽器は、正確な音程、均一な音色、豊かな音量、そして優れた機能性を追求した高度に完成された道具である。特に楽器の王といわれるピアノは、より効果的な機能を求める楽器製作者の絶え間ない努力により、長い年月をかけ今日の姿へ整えられていった。一方、楽器の女王といわれるヴァイオリンは、誕生当初から既に完成されており、その後は改良の余地がなかった。それでも楽器職人たちはヴァイオリンに新たな可能性を求めて、様々な改良型を考案している。その中のひとつが、フランスの海軍士官であったフランソワ・シャノーが1817年に発表した「シャノー型」ヴァイオリンである。

この楽器の胴体はギターに似て滑らかな8の字型で、弦もギターと同様、直に表板に張られている。シャノーは、駒の振動を速やかに伝達するためには、表板の木目をなるべく生かすことが重要であると考え、ヴァイオリンのf字型の響孔を棒状に替えた。また、一番上の糸巻きに弦を差し込む際、邪魔にならないように、渦巻きを逆にした。

この楽器については、クレモナの銘器よりも優れているという評価もあったが、音の急速な減衰などを指摘する否定的な意見が多かった。それでもシャノーは諦めることなく製作を続け、ヴァイオリンの他、ヴィオラ、チェロの製作も手掛けている。幾多の弦楽器の改良の試みが徒労に終わった中で、シャノー型は比較的健闘した楽器といえるだろう。本学楽器博物館は、シャノー型のヴァイオリン・ヴィオラ・チェロのセットを所蔵している。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)