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武蔵野音楽学園

カハリア

薗田 治子

インド 全長101cm

インド西部グジャラート州ダングス県の小さな町アーワ(Ahwa)は、毎年春になるとダングス・ダーバーという祭りで賑わう。この地方は森林に囲まれた標高約2000メートルの丘陵地帯で、幾つかの地元部族が居住している。これらの部族が一堂に集まって繰り広げられる民族色豊かな踊りの祭典が、ダングス・ダーバーである。カハリアはこの祭りで踊りの伴奏のために演奏される。

この笛は細長く大きなヒョウタンと二本の竹で作られており、奏者は楽器を紐で首に固定し、ヒョウタンの上部に付けられた吹き口から息を吹き込む。息はヒョウタンからリードの付けられた竹筒に伝わり、ドローンを伴った旋律を奏でる。この楽器の演奏は村の青年の長が務め、華やかに着飾った若い男女が奏者らを囲んで輪になって踊る。

カハリアでひときわ目を引くのが、楽器に付けられた数十本の孔雀の羽である。インドでは、古くから孔雀は毒蛇を食するといわれ、毒を制する聖なる動物と崇められてきた。この信仰は密教に伝わり、孔雀の背に乗り柔和な表情の孔雀明王は、わが国でも奈良時代からすでに祀られていた。孔雀明王が四本の手のひとつに孔雀の羽を持っているのは、息災を祈るためである。カハリアは聖なる孔雀の羽とともに、部族の宝である若者を守り、祝福し続けている。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)