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武蔵野音楽学園

ヴィオラ・ダ・ガンバ

薗田 治子

A .& H. アマティ作 1614年 クレモナ 全長 123cm

ヴィオラ・ダ・ガンバは「脚のヴィオラ」の意味で、この名は奏者が脚ではさんで構えることからつけられた。この楽器はヴィオールとも呼ばれ、バス、テノール、アルト、トレブル(ソプラノ)の4種類が基本的に使われる。

ポリフォニー音楽(多声音楽)が一般的な作曲様式として最も発展した15〜6世紀のヨーロッパでは、それまではっきりしていなかった声楽と器楽の区別が明確になり、器楽においても、合唱に匹敵する新たな合奏形態の構築が求められた。そのような中で、1500年頃に、ヴィオール族とヴァイオリン族という、二つの異なる楽器群が登場した。ヴァイオリンは当初、庶民の楽器として、主に祭事や歌の伴奏に使われたが、ヴィオールは優雅で上品な響きを持つ楽器として、宮廷やサロンで演奏された。特にイギリスでは、バス、テノール、トレブルおのおの2本ずつの6本セット(Chest of Viols)が上流階級の必需品であった。また、ヴィオールは独奏楽器としても使われ、J.S.バッハやM.マレーなど、多くの作曲家が独奏曲を作曲している。しかし、やがてホモフォニー音楽を主体とする古典派の時代が訪れ、独奏楽器には声楽のソプラノに対抗できる華やかさと豊かな表現力が求められると、典雅なヴィオールは次第にヴァイオリンに席を譲り、姿を消していった。

写真の楽器はヴァイオリン製作の名匠、アマティ兄弟作のバス・ガンバで、塗金された獅子の彫刻や二重のパフリング(縁取り)に往年の隆昌を思わせる逸品である。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)