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武蔵野音楽学園

クララ・シューマン愛用のグランド・ピアノ

薗田 治子

グロトリアン・ヘルフェリッヒ・シュルツ 1871年

85鍵、鋳鉄フレーム、ダブルエスケープメント・アクションという、当時の最新の機構をもつこのコンサートグランドは、世界最高峰のピアノメーカー、スタインウェイ社の母体、シュタインヴェーク社の後継会社によって作られた。開祖ハインリッヒ・シュタインヴェークがアメリカに移り、英語式にスタインウェイと読み変えた新会社を起こした後、長男テオドールが事業を引き継ぎ、グロトリアンと提携し、そのテオドールがやはりニューヨークに移った後、ヘルフェリッヒとシュルツが参加してこの会社ができた。新しい組織になった後も、社名には“Grotrian-Helfferich-Schulz Th.Steinweg Nachfolg.”と、シュタインヴェークの後継会社であることを謳っている。

このピアノはR.シューマンの夫人で、ピアニスト、作曲家としてもその名を残したクララの業績を讃えて、G.H.シュルツ社が1871年彼女に献呈したもので、アクションを引き出した内部には、「クララ・シューマン教授の為の特別使用。ブラウンシュヴァイク1871年」と記された陶器のプレートが取り付けられている。

写真に見られるその美しい外見からも窺えるように、楽器の保存状態は極めてよい。本学創立70周年の記念演奏会の一つとして催された「クララ・シューマンの夕べ」では、130年を経た今も、豊かな音と輝きは変わることなく、聴衆の耳に鳴り響いた。
(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)