大学概要

学長メッセージ

  本学は、創立者の音楽教育にかける強い気持ちに共鳴した多くの人々の情熱の発露が学校設立へと結びついたことから、建学の精神を「〈和〉のこころ」としています。そして、この精神は「個々人の自立」と表裏一体となって捉えられるべきであると考えています。他者を尊重し、協調しながらも、自立して問題提起や解決ができる音楽人を育成するために、我々教職員はきめ細かく丁寧な指導に努めています。

 通常の大学キャンパスの枠を超えた「音楽の街」とも呼べる本学キャンパスは、重厚感と現代性とが調和し、優れた機能性とスタイリッシュなデザインを併せ持っています。ここでは、理想的な演奏・学修環境が実現しており、自身の可能性を無限に拡げることができます。さらに、皆さんが在学中、学修目標を達成し大きく成長するための、さまざまな出会いや経験の場、また、学生支援の環境も整っています。

これからの時代、音楽を愛する皆さんは、各々の専門性を高めることはもちろんですが、単なる知識の習得だけではなく、問題の本質を見極める「洞察力」、解決策を発見する「創造力」、他者と意思疎通を図る「コミュニケーション能力」を高めることが必要です。生成AI などでは代替できないこれらの能力によって、答えのない問題や未知の課題に遭遇した際、広い視野を持ってそれらに対峙していけるからです。

 皆さんは、未来の正確な予測が困難な時代を生き抜いていかねばならなくなりました。しかし、いかに人々の生活環境が変わろうとも、音楽芸術に心を癒され、これに明日を生きる活力を見いだすという、人間が生来持つ本性は普遍であると、私は信じています。学生諸君には、本学の教育方針「音楽芸術の研鑽」「人間形成」によって大作曲家の作品の真理に少しでも近づき、在学中に培った多層的な知性としなやかな感性、そして豊かな人間性を活かして、それぞれの新たな舞台へ大きく羽ばたき輝き続けて欲しいと、切に願っています。

 皆さんにとって、かけがえのない時間を、武蔵野音楽大学で共に過ごしていきませんか。伝統と近代性が交差するキャンパスから、意欲あふれる皆さんを、心から歓迎いたします。