2020年度新着情報

【在学生・保護者の皆様へ】新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急支援給付金」等の学生支援について(学長メッセージ)

2020/5/05

    在学生・保護者の皆様


    武蔵野音楽大学
    学長 福井直昭

     

     平素より、武蔵野音楽大学の教育・研究活動にご理解とご協力を賜り、改めて厚く御礼申しあげます。


     このたびの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、社会に大きな影響を与え、昨日には緊急事態宣言の延長が決定されました。私たちは、先行きが見えない未曾有の非常事態に直面しています。お亡くなりになられた国内外の多くの方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹患されている皆様、日々の生活に影響を受けられている全ての皆様に、心からお見舞い申しあげます。さらに、こうした状況においても、医療や社会生活を支えてくださっている多くの方々のご努力・ご尽力に深く敬意と感謝を表します。
     本学は、既に告知申し上げているとおり、緊急事態宣言の発出を受け、キャンパス入構禁止措置や前期授業開始の延期(それを補うための夏期休暇の短縮)、当面の間の遠隔授業(オンライン授業等)実施等の決定をしております。学生と教員が同じ空間で音楽芸術について研鑽することを基本とするレッスンをはじめ、音楽大学としてのさまざまな形態や特徴のある授業をオンラインで受講することへの不安も大きいことと思いますが、この決定は、在学生の皆様の生命と健康を守り、感染しない、感染させないことを徹底するためにはやむを得ない措置、苦渋の選択であったことをご理解いただきますようお願いいたします。

     

     現在、このような状況下において、大学といたしましても遠隔授業に向けた新たな体制構築や環境整備などに教員・職員が全力で注力しており、皆様から頂いている学費の一部もこれらの取り組みに要する費用に充当させていただいております。私立大学における「授業料」は、単に一つ一つの授業に対する対価を積み上げたものではなく、卒業までの間、学生の皆さんに絶えることなく就学の機会を提供するために、教職員組織の維持管理など、教育課程全体に対する経費として毎年度頂いているものです。また「施設設備費」は、仮に入構禁止中であっても、大学の設備を設置し、維持整備、管理するために必要な費用であり、いわゆる施設利用料とは性格を異にするものです。回りくどいご説明になったかもしれませんが、これらも含めた費用のご負担について、ご協力をいただいていることに深く感謝申し上げます。


     他方で、遠隔授業の受講に向けて、学生の皆様に端末や通信環境の整備をお願いしていることもございます。さらに遠隔授業により、各種の演奏会を含む行事・プログラム・課外活動が中止となる等、学生の皆様にはこれまでと違った環境の中で、学生生活を送っていただくこととなっています。また皆様の中には、御自身の専攻・住環境によっては学外の練習施設を使用しなければならない方、さらには保護者の方のお仕事が順調にいかなくなったり、アルバイト先からの収入が得られなくなったりすることで、経済的困難を抱えることになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
     本学は、このような状況を踏まえ、学生の皆様が通信機器や通信環境を整える負担を軽減することと、保護者の方々や皆さんのアルバイトの収入が減っている経済的な負担を少しでも軽減することを主たる目的として、全学部生・大学院生(修士課程・後期博士課程)を対象に、1人あたり10万円を「緊急支援給付金」として給付することを決定しましたので、お知らせします(休学者は除く)。また、別科生には1人あたり3万円、さらに本学附属高等学校生にも別に定める金額を給付することとします。もちろん本給付金は返還する必要はありません。今後の手続については、決定次第速やかにお知らせいたします。
     また、学費納入については、現段階においても弾力的に対応させていただいておりますが、特に本年度の学費を分割納入されている方の後期納入期限を12月30日(水)まで延長いたします。

     

     遠隔授業に対する環境整備は、新型コロナウィルス感染症が終息後も、大学での学びに有用なツールになり、また授業を受講する中で自然と身につくIT機器に対するスキルは、将来皆さんが社会人となる時、大きな強みとなると考えます。皆さんには、このような趣旨もご理解いただき、授業開始に向けての準備をお願いいたします。一方、このような授業をおこなう上では、様々なトラブルが起こるかもしれません。江古田キャンパスはご存じのように新しく、インターネット回線にもバックアップ回線を含めて十分なゆとりがありますが、想定外の通信回線のトラブルが起きる可能性も否定できません。しかし、授業が順調に実施できるように総力を挙げて可能な限り様々な準備をしておりますので、皆さんも5月4日に配信した「オンライン授業に関するFAQ・諸注意」を熟読しておいてください。

     

     武蔵野音楽大学教職員は、皆さんを本学が誇る“音楽の街”江古田キャンパスにお迎えし、その機能を十分使って学生生活を思う存分楽しんでいただける日まで、教育環境づくりに邁進しながらお待ちしています。困難な状況でありますが、学業・学生生活継続の意思を強く持ち、各自が感染拡大防止対策を行なった上で、自らが現在可能な行動につとめ、共に努力してこの困難を乗り越えてまいりましょう。
     最後になりましたが、4月8日にリリースさせていただいた私から皆様へのメッセージに対し、温かいお言葉を多数賜り、誠にありがとうございました。そこで縷々書かせていただいた気持ちは、緊急事態宣言が延長された現在でも変わりません。重ねて申し上げます―いまこそ学生・教職員みなさんの思いやりと英知を結集して、建学の精神「<和>のこころ」を体現していきましょう。


     


    ※なお、新型コロナウィルス感染症の影響を受けて家計が急変した学生に対して、国、地方自治体、民間団体等が各種支援をおこなっています。詳しくは以下をご参照ください。

     

    【文部科学省】
    ■高等教育の修学支援新制度
    新型コロナウィルス感染症の影響で学費等支援が必要となった学生の皆さんへ
    https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/1420041_00003.htm

     

    【日本学生支援機構】
    ■給付型奨学金
    新型コロナウィルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援
    https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/kakei_kyuhen/coronavirus.html

    ■貸与型奨学金
    緊急採用・応急採用
    https://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/kinkyu_okyu/index.html

     

    【地方公共団体、民間団体等】

    地方公共団体(都道府県・市区町村)が独自に行う奨学金制度があります。また、民間団体等の奨学金についても申込みが可能な場合もあります。

    こうした支援については日本学生支援機構のWebページで紹介されています。
    https://www.jasso.go.jp/about/statistics/shogaku_dantaiseido/index.html