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武蔵野音楽学園

シュトローヴァイオリン

1910年頃 イギリス 全長61cm

シュトローヴァイオリン

シュトローヴァイオリンは、ロンドンのA.シュトローが1900年頃に考案した、録音用のヴァイオリンである。この楽器は共鳴胴の代わりにアルミの円盤が音を伝え、そこから突き出た拡声ホーンが音を増幅する。

1877年に、アメリカの発明王T.エジソンは銅製の円筒にすず箔を巻きつけ、そこに刻まれた溝の変化により音を録音・再生する装置を考案した。音が文字のように記録される時代の到来であった。その後の蝋管機やSPレコードの登場により、それまで生演奏でしか鑑賞できなかった音楽が、時と場所を選ばずに気軽に楽しめるものになった。

初期の音楽録音は、音の振動をそのままカッター針で原版に刻み込むもので、「アコースティック録音」と呼ばれる。演奏者は録音用の大きなホーンに向かって演奏するが、録音には大きな音量が必要で、声楽の場合はメガホンを使ったという記録が残されている。しかし、ヴァイオリンのように音が広く拡散する楽器においては、いかに音を集約し、それに指向性を持たせるかが課題であった。シュトローは、ヴァイオリンにメガホンのような拡声ホーンを付け、その先を録音用のホーンに向けて演奏するヴァイオリンを発明した。左側に突き出した小さなホーンは奏者が自分の演奏を聴きとるためのものである。
 
このヴァイオリンはスタジオ用楽器として普及し、他のヴァイオリン属の楽器やギター、ウクレレ、マンドリンなどにも拡声ホーンが付けられた。この楽器は1924年に電気式録音方式が登場すると姿を消す。武蔵野音楽大学楽器博物館は、シュトロー楽器のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの希少なセットを所蔵している。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)