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武蔵野音楽学園

タロガトー

タロガトー シュンダ社製 1935年頃 ハンガリー 全長67cm

タロガトーはハンガリーの楽器で、民族音楽の演奏では広く使われている。かつてはダブルリード楽器であったが、1890年代に楽器製作者シュンダにより写真のようなシングルリードのものが作られた。現在はこのタイプが普及している。形状はソプラノサクソフォーンに似ており、木製の本体にオーボエに似たキイシステムを備え、その音質は深く渋い。
18世紀初頭、ハンガリーの貴族ラーコーツィⅡ世の率いる反乱軍が、オーストリアからの独立を求めて蜂起した。その際に、タロガトーは独立運動の精神を表す楽器として支持者により吹き鳴らされた。この反乱は失敗に終わるが、そのため、運動の象徴的存在であったタロガトーの演奏もしばらくの間禁止された。こうした歴史的経緯により、その後タロガトーは「自由のシンボル」としてハンガリーの人々の心に深く根付くことになった。
ところでラーコーツィⅡ世の名は、有名な「ラーコーツィ行進曲」のタイトルにも使われている。この行進曲は、もともとはハンガリーに古くから伝わる作曲者不明の楽曲であり、「ハンガリー行進曲」とも呼ばれるが、独立運動を行ったラーコーツィⅡ世が好んだことから、別名「ラーコーツィ行進曲」とも呼ばれるようになった。この曲はベルリオーズやリストらが作品の中で用いたことでも知られている。
タロガトーは、ハンガリーでは「ラーコーツィ・シップ」とも呼ばれたという。この楽器はハンガリー人の誇りを表す楽器として、国民的英雄ラーコーツィの名と共に、人々に親しまれている。(武蔵野音楽大学楽器博物館所蔵)